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エアパス工法5つの効果

日本の家は庇を深く出すことによって、冬の低い陽射しを室内に取り入れ、夏の高い陽射しを遮るよう工夫してきました。さらに縁側をつくることで、より自然に近づいた暮らしを実現し、西洋とは異なった、自然と一体感のある独自の住文化を築き上げてきました。また、雨の多い気候風土を考慮し、風通しよくつくられた日本の木造建築物は、世界一の寿命を築くことができました。

冬暖かく夏涼しいエアパス工法。実験データが証明する高性能

エアパス工法は、屋根や壁の中に空気の流れる空洞(通気層)があり、その中を流れる空気が、冬は南面の暖かさを北面に運んで住宅内の温度差を解消し、住宅全体を暖かく保ちます。
一方、夏は住宅内の熱を屋外へ逃がし、涼しさを保ちます。このように冬・夏ともに太陽や風といった自然エネルギーを上手に取り入れ、空調機器に頼ることなく、良好な温熱環境が得られるのがエアパス工法の特徴です。
また、冬・夏とも、つねに通気層の中で空気が動いているので、通気層内に湿気が滞留しづらく、湿気による木材の劣化の低減も期待できます。このように屋根、外壁内の通気層は、空気(エア)の通り道(パス)となり、良好な温熱環境を得るためには欠かせない重要な役割を果たしています。

エアパス工法の効果

エアパスグループ本部の設ける四季工房では、福島県平田村の「ゆいの郷」にエアパス工法と一般的な在来工法の2つの実験棟を建設し、それぞれ温熱環境を測定、比較実験を行っています。ある例では日差しの強い夏の日、閉め切った実験棟の 室内温度が、在来棟では37.9℃になったとき、エアパス棟では室温34.8℃と、在来棟に対し約3℃温度が低く、また11 月の寒い日に、夜間に外気温が0℃近くまで下がったときにはエアパス棟の室内では14℃くらいの温度を保っていたことが判っています(出典:「エアパス工法を科学する」=『チルチンびと』2002年秋号別冊「地域主義工務店」宣言 風土 社刊)。

通気層内の環境

良好な温熱環境に欠かせない、通気層の内部はどのような環境なのでしょうか? 部屋や屋外などの空間の湿度は、気温と同じように1日のうちに変化をしますが、家の中で人が生活をしている場合、人が熱や水分を出すので、建物内の温度や湿度が上がることが知られています。通気層内を流れる空気が家中を巡るエアパス工法の場合、目に見えない通気層内の環境が良好なのかどうかが問われます。特に冬場では、低温な外気と高温な室内空気が接する、屋根や外壁側の通気層内での結 露なども気になると思います。ここでは2007年3月に「ゆいの郷」の実験棟で行われた、加湿実験の測定データを基に、 その快適環境をつくり出す熱や空気の通り道(パス)である、屋根、外壁内の通気層内の環境を、湿度を中心にご紹介しま す。

加湿実験の概要

普段は無人で夏冬ともに冷房・暖房のない状態で測定を行っている実験棟の中で、人が生活している状態を想定し、居室内のエアコンと加湿器を使って温度は26℃、湿度は70パーセントと、実際に人が暮らしている状態よりも、さらに厳しい状 況を設定しました。実験棟には1階と2階の各居室のほか、天井裏、床下などの室内空間、屋根や外壁の通気層、さらには屋外にも温度・湿度を測るセンサーが取付けられ、その測定データは機械に絶えず記録されていくしくみです。下図に示し た折れ線グラフは、センサーを設置した各箇所の温度・湿度のデータです。ここでは、加湿実験を行った4日間を含む1週間分のデータを掲載しています。

外気の温度と湿度のデータについて

外気の湿度では、1日のうちで湿度が一番高く91パーセントとなるのが、夜中から明け方にかけての時間で、一方昼ごろには一番低く29パーセントくらいになります。1日に1回ずつ、29~91パーセントまでの振れ幅でギザギザな図形を描いているのがわかります。

室内湿度のデータについて

外気と同じく、夜間にピークとなるパターンですが、グラフ図中に示したとおり、3月9日以前とそれ以後とでは加湿実験を行ったため、波の形が違っています。居室内の湿度は1階、2階ともに加湿実験の間はピークが平らな形をしていますが、これは加湿器・エアコンによって温度・湿度を設定しているためです。

小屋裏・床下、通気層内の湿度について

小屋裏・床下、通気層内の湿度は、4つのパターンに分類できます。

(1) 振れ幅が狭く、湿度の低いパターン: 小屋裏・床下/このパターンは加湿実験に入ると、グラフの波の形が変わる。即ち室 内湿度の影響を受けている。
(2) 振れ幅が狭く、湿度が高いパターン: 北面外壁通気層/加湿実験中でも実験前と同じパターン。
(3) 振れ幅が狭く、湿度が高いパターン: 北面屋根通気層/これも1と同じく加湿実験に入ると、グラフの波の形が変わる。即 ち室内湿度の影響を受けている。
(4) 振れ幅が広く、湿度の高いパターン: 南面外壁通気層・南面屋根通気層/加湿実験中でも実験前と同じパターン。

このうち(1)の小屋裏・床下では低い湿度で安定しており、比較的乾いた場所だといえます。ここではもちろん結露の発 生はありません。一方加湿実験中に湿度の高かった(2)(3)(4)の外壁と屋根の通気層内ですが、特に(2)の北面 外壁通気層では一定して75.9~98.8パーセントと高い数値を示し、ここが一番湿度の高い場所といえます。しかし、ここで見ていただきたいのは、折れ線の形は三角形状でピークに達している時間が極めて短く、平均的に湿度が高いものの、継続して100パーセント近い状態にあるわけではない点です。これは、エアパス工法住宅の通気層内の空気循環効果もあ り、湿気の滞留による結露の被害を防いでいるのだと考えられます。
実際に人が暮らしている状態よりもさらに厳しい状況を想定して居室内で加湿実験を行いましたが、エアパス工法の通気層内の空気の循環が、良好な温熱環境をつくり出しまた、湿気の滞留による結露の被害を防いで、建物の耐久性においても良好であるということが実際の測定データを通してお解かりいただけたかと思います。

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